海外事業の歴史

HISTORY OF OVERSEAS BUSINESS

半世紀以上に渡り世界中のお客さまの
豊かな社会・質の高い暮らしの実現を目指し、
海外のパートナーと共に歩んできました。

海外事業黎明期

食料需要増による機械化のニーズにこたえるべく、世界各国での精力的な販売網づくりを展開、井関製品を世界各国に販売開始した輸出元年です。

1950
1950年代

輸出事業開始

1960
1963年(昭和38年)

ポルシェ・ディーゼル社とのトラクタの技術提携契約を締結

1965年(昭和40年)

オーストラリアへ輸出開始(DGA社、オーストラリア)
ブラジルに三井物産株式会社との共同出資でブラジルヰセキを設立

1967年(昭和42年)

Yvan Beal S.A.S(フランス)と代理店契約を締結、フランスへ輸出開始

1968年(昭和43年)

ドイツ代理店(現:ISEKI Maschinen GmbH)へ輸出開始

海外展開

事業拡大に向け、海外への展開を進めていきました。
特に欧州では自治体が責を負う都市部の景観整備に当社の製品が使用され、
その品質・耐久性に高い評価を頂きました。
アジアでは販売網を形成し、グローバルに展開し始めました。

1970
1971年(昭和46年)

ベルギーにヨーロッパヰセキ社を設立

1972年(昭和47年)

海外事業部を営業本部貿易部に改組

1973年(昭和48年)

チェコスロバキアのゼトアトラクタの生産協力協定を締結

1974年(昭和49年)

韓国の東洋物産企業と耕運機(KL781型)の技術提携契約を締結

1976年(昭和51年)

欧州でトラクタ販売開始
台湾の中升農機社と代理店契約締結

1977年(昭和52年)

北米へトラクタを輸出開始(FMC社:OEM)
貿易部を営業本部から分離し海外事業部再発足

1978年(昭和53年)

フィリピンにフィリピナスヰセキを設立
アメリカのホワイト・ファーム・イクイップメント社(WFE社)とトラクタOEM販売契約を締結

1960年代~70年代
1980
1980年(昭和55年)

韓国の東洋物産企業とトラクタ・田植機・バインダの技術提携契約を締結
中国他にODAを中心に輸出

1982年(昭和57年)

韓国の東洋物産企業とコンバインの技術提携契約を締結

1984年(昭和59年)

インドネシアのルタン社と耕運機・籾摺り機の技術提携契約を締結

1988年(昭和63年)

欧州で乗用モーアの販売開始(SGシリーズ)

グローバル化進展

海外からの引き合いも増え、事業形態も間接貿易から直接貿易にシフトしていきました。また、海外拠点を設立し、販路拡大・市場開拓を進めていきました。さらに現在最大のOEM供給先であるMassey Ferguson社(現:AGCO社)との協業を開始しました。

1990
1991年(平成3年)

Massey Ferguson社(現:AGCO社)へ北米向けを中心にOEMトラクタ供給開始

1993年(平成5年)

乗用フロントモーア販売開始(SF3)

2000
2002年(平成14年)

北米向け新カテゴリ商品 サブコンパクトトラクタの販売開始

2003年(平成15年)

欧州向けサブコンパクトトラクタ(TXG23)の販売開始

中国江蘇省に井関農機(常州)有限公司を設立

乗用モーア販売開始(SXG)

2004年(平成16年)

韓国向け大型コンバインの輸出開始
中東欧へ販売エリアの拡大
中国国内で自脱コンバインの生産開始

2005年(平成17年)

北米専用モデルのコンパクトトラクタの販売開始

2007年(平成19年)

中国国内で田植機の生産開始

グローバル事業飛躍的成長

海外事業の拡大に伴い生産拠点としてPT. 井関インドネシアを設立し、さらに欧州を中心に各国(フランス、ドイツ、イギリス、タイ)に販売会社を設立。
海外事業が飛躍的に成長しました。また海外売上高比率も30%超となりました。

2010
2011年(平成23年)

中国湖北省に東風汽車との合弁事業として東風井関農業機械(湖北)有限公司を設立
その後2014年(平成26年)に井関常州と東風井関を事業統合し、東風井関農業機械有限公司を設立

2012年(平成24年)

北米向けユーティリティトラクタの販売開始

2013年(平成25年)

タイにISEKI SALES(THAILAND)CO.,Ltd.を設立(現:IST Farm Machinery CO,Ltd.)
中国で汎用コンバインの生産開始

2014年(平成26年)

インドネシアに PT. 井関インドネシアを設立

PT. 井関インドネシアにて低価格トラクタの生産開始、タイ向けに販売開始
北米向けエコノミートラクタ(インドネシア生産)の販売開始
欧州で大型フロントモーアの販売開始(SF4シリーズ)
フランス販売代理店 Yvan Beal S.A.S、YB Holding S.A.Sを子会社化

2015年(平成27年)

フランス子会社 Yvan Beal S.A.Sを、ISEKI France S.A.Sへ社名変更
中国でトラクタの生産開始

2016年(平成28年)

タイにISEKI(THAILAND)CO.,Ltd.を設立

2017年(平成29年)

イギリスにPremium-Turf Care社を設立 (当社出資44.5%)

2018年(平成30年)

インドTAFE社と技術提携契約締結

2019年(平成31年/令和元年)

韓国向け新型の大型コンバイン(HJシリーズ)の販売開始

2020
2020年(令和2年)

三菱商事株式会社より株式を譲受し、タイ販売会社IST Farm Machinery CO,Ltd.を子会社化

2022年(令和4年)

ドイツ販売代理店Iseki-Maschinen GmbHを連結子会社化

欧州で電動乗用モーア(SXGE2)の 販売開始
連結海外売上高500億円を突破。海外売上高比率30%超へ

2024年(令和6年)

イギリス販売代理店PREMIUM TURF-CARE LIMITEDを連結子会社化

  • episode1

    ヨーロッパヰセキ社設立

    写真1:ベルギーSterrebeekstraatの旧社屋、
    写真2:2024年(令和6年)ドイツに移転したISEKI Europe GmbH

    欧州での販路開拓を積極的に進めるため、1971年(昭和46年)2月にEEC(欧州経済共同体)の中心地であり、欧州各国へのアクセスが容易なベルギーのブリュッセルにヨーロッパヰセキ社(N.V. ISEKI Europe S.A)を設立しました。
    設立以降、欧州代理店とのコミュニケーションを通じて、欧州域内での販売促進、市場調査、アフターサービスなどを推進し、代理店と共に販売エリアや販売商品の拡大に繋げてきました。
    また、連結子会社であるISEKI-Maschinen GmbH(ISEKIドイツ社)との設計・開発における協業を深化させ、サービス体制の強化のため、2024年(令和6年)には所在地をベルギーからドイツのデュッセルドルフ近郊に移転し、会社名はISEKI Europe GmbHに変更しました。

  • episode2

    東アジアパートナーとの協力による現地お客さまへの貢献

    写真1:1971年(昭和46年)台湾での収穫機テスト、
    写真2:IGTCでの田植機研修、写真3:IGTCでのサービス研修

    当社は1960年代~70年代以降、韓国・台湾のパートナーとの取引を通じ東アジア現地の農業生産性の向上・効率化、そして農業従事者の負担軽減に貢献してきました。
    現地パートナーと共同での現地テスト、販売促進活動、取扱い教育、サービス研修等々を継続して行い、現地のお客さまの信頼を獲得して今日に至っています。
    農家を過酷な労働から解放したいという創業者の想いを海外でも継続して実現すべく、当社は引続き現地パートナーと協力していきます。

  • イギリス・イプスウィッチの農場で

  • フランス・クレルモンフェランの農場で

  • エジプトで活躍するTE3210

  • 食料増産援助(KRⅡ)に関連し中国に渡る田植機さなえPX200

  • episode3

    Massey Ferguson社へのOEM供給開始

    松山工場での1号機ラインオフ式典

    1991年(平成3年)2月8日、マッセイ・ファーガソン社向けトラクタの生産開始。第1号機のラインオフ式典では両社社長・代表者テープカットが行われ、マッセイ・ファーガソンブランドを付けた1号機がラインオフしました。当社カラーであるブルーのトラクタに見慣れた目には、マッセイ・ファーガソン向けの赤い色が一際鮮やかに映りました。また、来日されたマッセイ・ファーガソン社長からは、同トラクタを世界のお客さまに使って頂くよう育てていきたいとの力強いメッセージを頂戴しました。

  • episode4

    北米向け新カテゴリ商品 
    サブコンパクトトラクタの販売開始

    北米向け新カテゴリ商品 サブコンパクトトラクタ

    「サブコンパクトトラクタ」は北米市場にて需要が広がりつつあったホビーファーマー向けと、乗用ガーデン市場からのユーザー獲得を狙い、ガーデン作業とトラクタ作業の機能を結合したトラクタとして、サブコンパクトトラクタMFGC2300の販売が開始されました。現在では北米向けの中核商品として、たくさんのお客さまに愛用されております。当時、AGCO社と当社の開発メンバー全員で同じ目標に向かい試作を重ね、時には其々の熱い思いをぶつけ合いながら開発を進め、商品化にたどり着けたことで、両社の絆を更に強固なものとすることができた瞬間でした。

    MFGC2300の詳細はこちら

  • episode5

    欧州向けサブコンパクトトラクタ(TXG23)の販売開始

    TXG23

    芝刈り乗用モーアやコンパクトトラクタの間に位置するサブコンパクトトラクタは欧州市場での需要の高まりを受けて、北米で好評であったサブコンパクトトラクタMFGC2300を基にした欧州仕様のTXG23を販売開始しました。欧州では、草刈りだけでなく、歩道の清掃や除雪作業など多目的に使用できる機能性から、多くのお客さまから好評を得ました。その後、さらなる改良を加えたTXGS24が登場し、現在では欧州の主力商品となっております。

  • episode6

    中国江蘇省に井関農機(常州)有限公司を設立

    井関農機(常州)有限公司

    1990年代に工業化の急速な進展に伴い世界の工場となった中国では、労働人口の内陸農村部から沿岸部へのシフトが進む一方、13億人もの人口を支える食料を確保するため、農業の近代化による生産性向上が課題となっていました。このような中、当社は2003年(平成15年)6月に江蘇省常州市に中国市場展開の足掛かりとなる100%出資の井関農機(常州)有限公司を設立し、日本で培った稲作向けの技術を活用した田植機と自脱コンバインの普及を図るべく、翌2004年(平成16年)より自脱4条コンバイン、2005年(平成17年)より歩行6条田植機と乗用6条田植機の販売を開始しました。日本に比べほ場基盤が整っておらず、請負業者による長時間の稼働など機械の負荷が高いことから、2011年(平成23年)には乗用8条田植機の販売を開始、2012年(平成24年)に新型の乗用6条田植機にも粘りのあるディーゼル仕様を追加。農機の購入に対する補助金制度の拡充に伴い販売台数が増加するとともにユーザーからの要望に応えながら改良を重ね、現在も中国市場で活躍する主力商品となっています。

  • 除雪用作業機を装着し南極大陸で活躍するヰセキトラクタTA530

  • 飛行機の発着場を整備するTA530

  • episode7

    井関常州と東風井関を事業統合し、東風井関農業機械有限公司を設立

    写真1:襄陽工場外観、写真2:HC868、
    写真3:T型トラクタ

    中国農業機械市場での更なる事業拡大を目指すため、2011年(平成23年)に国営大手自動車メーカーの東風汽車グループとの合弁で湖北省襄陽市に「東風井関農業機械(湖北)有限公司」を設立し歩行田植機や汎用コンバインの生産を開始、2014年(平成26年)5月には井関農機(常州)有限公司と事業統合し、折半出資の合弁会社「東風井関農業機械有限公司」を設立しました。2015年(平成27年)にトラクタ、2016年(平成28年)にはアセアン市場向けの汎用コンバインの量産も開始、2017年(平成29年)には襄陽工場を新設するなど中国のほ場条件や作業環境に適した稲作一貫体系の機械化を実現する生産・販売体制を整えました。このような中、2016年(平成28年)5月には習近平総書記が黒龍江省の視察時に東風井関の乗用田植機に試乗される様子が国営テレビで放映され、井関を冠したブランドを多くの人に認知してもらえるきっかけとなりました。また、2020年(令和2年)に新型コロナウイルス感染症が流行した際には東風汽車グループの取り組みの一環として湖北省の6市に乗用管理機(防除機)214台を寄贈、市街地を自走しながら消毒液を噴霧し蔓延防止に寄与しました。

  • episode8

    PT. 井関インドネシア設立

    写真1:開所式にて農業大臣Suswono氏にご署名を頂いた記念プレートがPT.井関の玄関ロビー左下に配置、
    写真2:フラワーボード、写真3:PT. 井関インドネシア社屋

    2014年(平成26年)1月、農業機械の総合専業メーカーである井関農機株式会社の製造子会社として、当地の販売パートナーの協力のもと、インドネシア第二の都市スラバヤ市近郊のPIER工業団地に工場を建設し、トラクタの生産を開始しました。開所式は当時のインドネシア農業大臣も参加され、盛大に執り行われました。
    現在、この地の利を活かし、高品質で低コストの商品を、世界のお客さまにタイムリーに提供しています。この地、スラバヤ市を中心とした東ジャワ州では、インドネシア最大級のタンジュンペラック港湾に加え、港から工業団地まで高速道路が整備され、物流機能が更に向上しています。

  • episode9

    フランス販売代理店 Yvan Beal S.A.Sの連結子会社化

    ISEKI France S.A.S社屋

    当社のグローバル戦略における重要エリアであるフランスでは、1967年以来50年以上にわたりYVAN BEAL(ベアル社)を通じて農業機械および景観整備用製品等の販売を行ってまいりました。
    YVAN BEAL は1929年の設立以来、95年にわたるグリーンビジネスおよび農業機械の販売・修理を中心に地域に根差した活動によって、フランス市場における顧客およびディーラー網を築きあげてきました。
    2014年(平成26年)、当社のフランス事業展開の拡大・欧州事業の基盤強化を目指し、YVAN BEAL(ベアル社)を連結子会社化し、2015年(平成27年)には、現在のフランスの販売子会社であるISEKI France S.A.S(ISEKIフランス社)に会社名を変更しました。現在はフランスだけでなく、欧州ビジネスの中核の一つとして、スイスやスペインなどの周辺国にも販売テリトリーを広げており、2023年(令和5年)12月期には売上高・営業利益ともに過去最大を達成しました。

  • episode10

    ドイツ販売代理店Iseki-Maschinen GmbHを連結子会社化

    Iseki-Maschinen GmbH社屋

    欧州市場における重点地域であるドイツの販売代理店Iseki-Maschinen GmbH(ISEKIドイツ社)とは、50年以上にわたりビジネスパートナーとして協業し、ドイツ市場における顧客およびディーラー網を築いてまいりました。
    欧州の各子会社との連携を強化し、欧州市場におけるブランド力とプレゼンスをさらに高めることを主な目的とし、2022年(令和4年)、Iseki-Maschinen GmbHを連結子会社化しました。
    欧州市場においては、販売・サービスにとどまらず、当社とISEKIドイツ社とのシナジーを発揮し、市場ニーズを迅速に取り込んだ商品開発や現地での設計など一貫した事業を展開していきます。

  • episode11

    2022年(令和4年)売上高500億突破

    海外売上高比率伸長を示すグラフ資料

    2020年(令和2年)新型コロナウイルス感染症流行による巣ごもり特需、またその後の円安を背景に欧米の売上は飛躍的に増加しました。その後も世界的な物価高や地政学的リスクの高まりといった事業不透明感が強まる情勢下においても海外事業は欧州を中心に好調を継続。3期連続で過去最高を更新し、海外売上比率33.5%まで伸長しました。エッセンシャルビジネスとして海外においても着実に存在感を高めてまいりました。

  • episode12

    イギリス販売代理店PREMIUM TURF-CARE LIMITEDを連結子会社化

    イギリス販売代理店PREMIUM TURF-CARE LIMITED社屋

    イギリス販売代理店PREMIUM TURF-CARE LIMITED(以下、「PTC社」)は当社の販売代理店として、2017 年(平成29年)の会社設立以降、英国国内において販売・サービス網を構築してまいりました。
    PTC社の株式を追加取得(44.5%→100%出資)し、2025年(令和7年)から連結子会社化となる予定です。これにより、欧州主要3か国である英国・フランス・ドイツの販売子会社は全て当社の連結子会社となり、欧州事業の次なる成長ステージを目指す体制が確立します。欧州連結子会社と当社の間で商品・在庫・人材等の経営資源を共有することで事業基盤の強化を図り、英国市場も含め欧州事業における売上の拡大・シェアアップを目指してまいります。